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宮治研究室(宮治ゼミ)

本研究室では,ネットやウェブなどに加えて,センサやカメラなどによって収集した実世界の情報を融合することによって,社会や生活の役に立つサービスを創出することを目的としています.

その実現の為には,「データ採取」「データ分析」「情報提示」「通信・連携」の 4 領域の技術が必要となります.

データ採取

「データ採取」では,インターネットやウェブからデータを取得する方法と,センサを利用して実世界の情報を採取する方法があります.

ネット上の情報を収集するには,インターネット上で公開されているサービスの API を利用してアクセスする方法や,インターネットのリンクをたどって目的のページからデータの複製を手に入れる方法(クローリング)があります. クローリングした情報は,そのままでは不要なデータが含まれているため,必要な部分だけを取り出す処理(スクレイピング)をする必要があります.

実社会のデータ採取の場合には,センサ内蔵機器を利用する方法,自作電子回路にセンサを取り付けて情報を取得する方法があります.

センサ内蔵機器は,スマートフォンやスマートウォッチに代表される各種スマートデバイスを一例としてあげることができます.位置情報や移動速度,活動状況や心拍数など様々な情報が取得可能です. 対象の情報を取得するという意味ではカメラで取得した静止画・動画像もセンサ情報といえます.また,NUI デバイス(Kinect や RealSence など)も同様に考えることができます.

センサの情報を独自に取得したい場合には,電子回路にセンサを搭載したり,Raspberry Pi に代表される小型コンピュータにセンサを配置する手法をとります.

データ分析・機械学習

取得したデータを「データ分析」し,意味のある情報を取り出します.分析には,統計的なデータマイニングや機械学習の手法だけではなく,ディープラーニングやネットワーク分析などの手法も用います. これらの手法は,ライブラリを自作プログラムから呼び出して活用することが多いですが,論文を読みながら実装することもあります.

データ分析をすることだけが目的ではなく,あくまでもシステムで活用するためにおこなっています.分析した結果を,ソフトウェアに組み込み評価するところまでをおこないます.

情報提示

「情報提示」する際には,可視化の為のライブラリや Unity などのゲームエンジンを利用して,「見やすくわかりやすい」工夫が必要です. また,単純にモニター上で見せるだけではなく,AR や VR などの技術の利用やスマホアプリの開発,スマートデバイスやロボット活用もします.

通信・連携

データ採取・データ分析・情報提示は,「通信・連携」するシステムによって統合されます. 通信・連携システムでは,サーバサイド開発/データベース/ネットワーク系プログラミングなどの技術が必要です.

また,これらを統合した実際のウェブサービスを展開する際には,この部分が根幹を成すことになります.

方針

本研究室では,社会の問題解決やニーズに応えるために,上記要素技術を連携したシステムを開発/検証する研究をしています(それぞれの要素技術の性能向上を目指したり,研究のための研究をすることは主目的ではありません).

また,その実現のための人間・社会的な側面や影響を把握するために,現在のネットと密接に関わる範囲においてのコミュニティや教育,サービスの分析,マーケティング手法などについて調査および研究をおこなっています.

さらに,利用手法としては感性工学的な手法も積極的に活用します.社会への適用分野として,一般社会だけではなく,福祉領域への展開も視野に入れています.